Yes → Q2へ
No → 天然ガスはありません。
Yes → Q3へ
No → 水中置換(ビール瓶を水中で逆さまにして)でサンプリングし、シリコン栓をして分析依頼してください。
55%以上 → 燃料として利用できます。(天然ガス利用形態を参考にしてください。)
20~54% → 45%以上はなんとか燃えます。それ以下は補助バーナーがあれば燃えます。
45%以下での利用はお勧めできません。
3%~20% → 爆発する可能性があり危険です。(温泉井天然ガス対策を参考にしてください。)
3%以下 → 爆発はしませんが放出を行ってください。(温泉井天然ガス対策を参考にしてください。)
新潟や千葉では大半が大手ガス事業者に原料ガスとして卸供給されています。しかし宮崎地区で産出する天然ガスの一部は大気放出されているのが現状です。その大半は温泉井として掘削されたもので、天然ガス採取目的ではありません。この年間総放出量は私の調査では約 1,170,000㎥です。これを価格に置き換えると約 6500万円(56円/㎥)となります。今までは大気放出が最も簡単で安価な方法でした、しかし今後はこのガスをいかに有効に利用するかを考えなければいけません。
■ 組成 ・・・ メタン93%~96%
■ 発熱量・・・ 8500Kcal~9000Kcal
■ 長所 ・・・ 空気より軽い、無味無臭、毒性がない、燃焼時クリーン
■ 短所 ・・・ 大気放出すると地球温暖化ガス、利用手続きが複雑、保安員が必要。
■吸収式冷暖房機 ■ガスエンジン発電所
(150,000kcal/h×1台稼働中) (22kw×4台稼働中)
■マイクロガスエンジン発電機 ■ガスボイラー
(9.8kw×1台稼働中) (10,000kcal/h稼働中)
■マイクロガスタービン+吸収式冷水機
(28kw+11USRT稼働中)
その他、ガス灯、天然ガス自動車など検討しています。
ガスエンジンとマイクロガスタービンを比べると、エンジンはお湯ができる発電機タービンは電気ができるボイラーと考えます。
■ミンガスのコージェネレーションに対する考え方(ガスエンジンで効率80%で下表の場合)
単位 | 単位変換 | 単価 (円) | 備考 | |
電気 | 1kw | 15円 | 九州電力年平均単価 | |
熱 | 1Mj | 0.277kw | 2円 | 熱供給便覧を参照 |
燃料 | 9000kcal | 10kw | 34円 | ミンガス供給単価 |
燃料を10kw入れると 発電機から 3kwの電気と5kwの熱が生まれます。
燃料を34円入れると 発電機から 45円の電気と36円の熱が生まれます。
81円(電気と熱)- 34円(燃料)=47円の差益が生まれます。
1時間に10㎥、1日14時間350日燃料を入れ稼働させると概算で230万円の差益が生まれる計算になります。
これはミンガスの実例での試算ですが、試算した結果、発電機が数年で償却できれば、導入を検討する価値があると思います。
■マイクロガスエンジン発電機(電気の自給自足)
・坑井から産出した天然ガスでガスエンジンを回しその動力で発電し、その電気で汲み上げ用水中ポンプ、
ボイラー、換気扇、循環ポンプなど、場内のすべての電気をまかなう。
・ガスエンジンの廃熱とガスボイラーにより温泉を加熱する。
・九州電力からの買電は、エンジン起動用セルモーター、エンジン停止冷却ファンの単相100V、5Aだけである。
・エネルギーの購入をせずに、抗井から7.2㎥/hのガスを汲み上げ、同時に産出した7.2㎥/h、39.8℃の温泉を
全量46.5℃に昇温する事ができた。
機種 YANMAR製YCP9801(13A)仕様を現場で12A用に調整
設備のフロー図
■ガスエンジン発電所(電気、熱供給事業)
エネルギー会社がオンサイト発電(需要者の敷地内で発電)を行うことは、まだ少なく、大手エネルギー会社や
その関係会社を除くと貴重な存在です。
・抗井から産出した天然ガスをパイプラインで輸送、オンサイトに設置したガスエンジンを回しその動力で発電し、
その電気を販売する。
・ガスエンジンの廃熱は熱交換器により給湯の補助熱源として水道を加熱する。
・売電量は、22kw×4台、1日 10時間運転である。
・熱量は現在 8時間で 3350Mj 販売する事ができた。
機種 YANMAR製 CP22V (13A) 仕様を現場で12A用に調整
【動画】ガスエンジン発電機の音 ※クリックすると動画が見れます。
■マイクロガスタービン発電機(水溶性天然ガス駆動国内初 坑井より産出ガスをその場でそのまま利用)
マイクロガスタービンとは車のターボチャージャーが排気ガスで羽を回し、直結された吸気側の羽根の回転で、
吸入空気が加圧される仕組みですが、マイクロガスタービンは、同程度の大きさの羽を、ガスの爆発膨張力で
回転させ、直結の発電機を回します。
・回転数は96000ppmで、生の音はまさにジェット機ですが、パッケージの中に入っているので、騒音振動とも
小さく、モーターが高速回転している程度の音です。
・排気ガスの温度か 280℃と高く、利用方法がたくさんあります。
運転状況
・電気は場内の汲み上げ用水中ポンプ(18.5kw)、温泉輸送ポンプ(7.5kw)、ブロワ、換気扇、循環ポンプなど
場内の 77%の電気をまかないます。
・ガスタービンの廃熱は 280℃のため吸収式冷水機の駆動用熱源として利用し、吸収式冷水機で 7℃の冷水を作り
生産ガスの脱湿用冷却水として利用している。
・タービンの制御は九州電力からの買電を最小にするようにタービン出力を制御している。
・タービンの発電最大出力は実測最高値で28.3kw、平均27kw程度を出力している。
・出力の変動は、気温や湿度により微妙に変化するので、最高の条件を探しています。
・同時に0.15m3/h、7℃の冷水を作ることができた。
機種 タクマ製 TCP30+EGT15 13A用を、ほぼ無調整で使用
【動画】マイクロガスタービン発電機の音 ※クリックすると動画が見れます。
鉱山の天然ガスは経済産業省、温泉の天然ガスは環境省、鉱山の天然ガス保安監督は産業保安監督部、温泉の天然ガス保安監督は県庁内の温泉担当部署で管轄しています。
経済産業省(鉱業法及び鉱山保安法)はメタンを安全に利用しましょう、環境省(温泉法)はメタンを安全に大気放出しましょうとなっており、いろいろな事を考えた時、今回の法改正が環境省としては精一杯だと思います。
しかし、いずれはせめて燃やして捨てるにして欲しいです。
■天然ガス鉱山では天然ガスは有価物です。
有価物は漏らす事は有りません、空気(酸素)と混ざる事も有りません。事故以外漏れる場合は意識的に排出する
時だけです。鉱山の保安体制は鉱山保安法です。鉱山保安法は電気、ガス、原子力と同じ産業保安監督部です。
保安担当者は有資格者です。鉱業権者(当事者)は鉱山保安法に基づき自らリスクアセスメントを行い、その結果を
基に自ら設備設計と保安を行います。
■温泉施設では天然ガスは有害な排出物です。
濃度が薄い(10%vol 以下)場合が多く危険です。地球温暖化ガスですが大気放出が最も有効な手段です。
無色無臭のため大気放出に違和感は有りません。安全な場所で大気に放出し拡散させることが安全です。
適用法は温泉法です。温泉法は県の環境行政や薬務行政が担当部署です。
保安担当者は責任者を選任します。温泉所設備の設計は施設所有者が一般の作井業者や建設設備業者に依頼します。
一般の作井業者や建設設備業者は温泉法に基づき設計を行います。
■天然ガス鉱山
現在は、採掘した天然ガスを利用するには鉱業権を取得し有資格者を選任し保安体制を確立し天然ガス鉱山を設立
する必要があります。
宮崎鉱山、大淀河畔鉱山、青島鉱山を所有管理し、新富鉱山高鍋鉱山を委託管理しています。
・宮崎鉱山 :宮崎市小松地区で3鉱区の採掘権を取得し5坑井を所有、 年間 250000㎥ を採掘しています。
・大淀河畔鉱山:宮崎市大淀河畔で1鉱区を大淀河畔温泉協同組合と共同鉱業権を取得。
大淀河畔温泉”たまゆらの湯”2坑井、極楽温泉井
・青島鉱山 :宮崎市青島地域で1鉱区を宮崎市と共同鉱業権を取得。宮崎市自然休養村温泉井。
・新富鉱山 :新富町所有の新富井と鉱山施設を保安管理委託契約により管理
・高鍋鉱山 :高鍋町所有の高鍋井と鉱山施設を保安管理委託契約により管理
経済産業省に提出必要な認可申請、届出書
・環境資源部 :鉱業権出願>>設定>>施業案提出>>鉱山設立>>採掘許可
・産業保安監督部:保安規程作成届>>施設設置届>>保安員選任
温泉の掘削を行って天然ガスが産出した場合、鉱業権が設定されていれば、そのガスは鉱業権者に権利があります。鉱業権者と話し合って下さい。
限りある資源、また大気放出すると温暖化ガスです。有効にそして安全に利用しましょう。
■温泉井天然ガス対策(天然ガス採掘業者にしかできない設備設計)※重要
温泉井より採掘された天然ガスの安全性が問題となっていますが、坑井掘削業者や設備設計業者の天然ガスに対する認識の甘さが原因と考ています。弊社は数多くの温泉井の天然ガス対策をおこない、濃度の違いや立地条件の違いに対応してきました。実際に天然ガスの採掘を行い保安を行っている会社にしかできないノウハウが有ります。
・坑口装置について
石油天然ガス鉱山の坑井口ではガス漏れは有りません。
温泉井は水中ポンプでの汲み上げがほとんどですがその際、電力ケーブルや水位センサーのケーブル部分の処理が
不十分で、そこからガスが漏れている坑井を多く目にします。
また坑口が地下ピットに設置されている坑井が多く有りますが、弊社が管理を行っている坑井はすべて密閉型井戸
フランジを使用しています。そのためピット内にガス漏れは有りません。
・水中ポンプ用動力ケーブルについて
一般的なケーブルでは被覆表面からケーブル内に分子の小さいメタンが浸透して弊害を起こします。
この点も考慮して設計を行うことが必要です。
またジョイントボックスについても想定されるリスクに対して対応できるよう工夫が必要です。
・セパレーターについて
通常は大気圧で開放すれば分離します。表面積の大きな貯湯タンクで十分です。
しかし下記の場合は特別な設計が必要です。
①濃度が爆発範囲付近(5%vol~約20%vol)のガスの場合
とにかく危険です。
通常の構造のセパレーターで温泉法上は問題有りませんが、
通常のセパレーターでは爆発するガスを集めた事になります。
根本的に安全な構造のセパレーターが必要です。
②ガス量きわめて少ない場合(微少のメタンの気泡が存在し対処が必要な温泉の場合)
長時間かけてメタンが貯まる危険性があるので強制的に分離させる必要があります。
温泉の粘性により気泡の浮力よる分離や比重差による分離ができない場合は
強制的に分離するセパレーターが必要です。
・遠隔監視システム
遠隔監視システムで常に監視し、万が一のトラブルに備えてます。
■セパレーター(気体、液体分離装置)
・坑井内セパレーター採用: 抗井内で一度セパレートし地上で完全にセパレートさせます。
■汎用水中ポンプによる汲み上げ
・高価な外国製水中ポンプは使用せず、水中ポンプの設置方法、揚水管や駆動方法に工夫し、ガス水比の高い
坑井においても効率の高い汲み上げを可能としました。
・毎年点検し消耗部品を交換することで信頼性を飛躍的に向上しました。
・電力ケーブルはガスの侵入を防ぐため、水中部、地上部において工夫が必要です。
電力ケーブルの材質は特に注意が必要です。
ケーブル内に進入したガスは配電盤などに侵入するおそれがある為、完全なシールド及び隔離が要求されます。
■現在保有
水中ポンプ:75kw×3台、45kw×4台、15kw×2台
PCポンプ :1台
■天然ガスの精製
汲み上げられた天然ガスは飽和水蒸気量が非常に多いため配管内に結露を生じます。
ガス配管にも工夫が必要です。ガスを冷却し脱湿するなど必要です。
温泉井戸の管理でお困りの方、ガスの付随する温泉の汲み上げ方法や、ガスの利用方法、保安対策でお困りの方、ご連絡下さい。
少量のガスでも、これからの地球環境のため、大気放出せずに利用しましょう。お手伝いします。
〒880-2112
宮崎県宮崎市小松1211-10
TEL 0985-47-8475(事務所)
TEL 0985-47-9256(資源部直通)
FAX 0985-47-9982
E-mail info@mingas.jp